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中間貯蔵施設―「双葉郡に」やむをえぬ

 福島第一原発の事故で、除染作業を進めるのに必要となる中間貯蔵施設を、福島県双葉郡内に造りたいと、細野環境相が地元に申し入れた。

 県内の除染で生じる汚染土壌などの処理について、政府は市町村ごとに仮置き場を設け、そこから中間貯蔵施設へ運び込む手順を描く。ところが、施設の計画がまとまらないため、仮置き場の確保が進まず、除染が滞りかねない状況に陥っている。

 双葉郡は、福島第一原発がある双葉、大熊両町をはじめ、原発事故の被災地だ。多くの住民が故郷を追われ、避難生活をしいられている。

 首都圏の電力のための原発を受け入れ、原発事故の被害に遭い、さらに後始末のための施設まで押しつけられるのか――。反発や割り切れなさを感じる人は多いだろう。

 ただ、汚染の状況を見ると、長い間、自宅に戻れない地域があるのも事実だ。政府は来春、「帰還困難区域」を指定する方針である。細野氏は、その中でも年間の放射線量が100ミリシーベルト以上と特に高い地域に施設を造る考えを示した。

 住まいや働く場へと戻せる見通しが立たない場所に造ることは現実的な選択だろう。やむをえない、苦渋の決断である。

 政府は施設の用地を買い上げたり借り上げたりし、建設から運営まで責任を持つとする。

 それだけでは不十分だ。施設の設置期間は「30年以内」とされている。施設周辺の住民の生活や仕事、教育をどう保証するか。住民の意向をくみ上げ、対策の全体像を示してほしい。

 施設の受け入れを求められた福島県は、最終処分を福島県外で行うよう求めており、政府も改めて約束した。しかし、現時点で最終処分場の見通しは全くない。あいまいなまま先へ進むと後でこじれかねない。政府はこのことも肝に銘じつつ、調整を進めるべきだ。

 場所の決定だけでなく、施設をできるだけ小さくとどめるための取り組みも重要になる。

 政府は、施設全体の面積を3~5平方キロメートルと想定している。ただ、除染で出た汚染土壌から放射性物質をしっかり分離し、土を元の場所へ戻すことができれば、施設の規模は小さくなる。様々な企業や大学、団体が研究開発を進めており、成果に期待したい。

 中間貯蔵施設の場所の決定と建設を急ぐ。各地に仮置き場を確保し、除染を着実に進める。

 政府の申し入れを、復旧・復興への大きなステップにしなければならない。