何のための4次補正なのか
- 2011/12/21付
政府は20日の閣議で2011年度第4次補正予算案を決定した。歳出規模は2.5兆円で、次期通常国会で成立する見通しだ。
11年度の1~3次補正には、東日本大震災の復旧・復興という明確な目的があった。今回は何のための補正かが判然としない。
4次補正のきっかけは税収の上振れと国債費の下振れだ。法人税減税の先送りと長期金利の低下で、財源に少し余裕ができた。
問題はその使い道である。政府は緊急性の高い経費を盛り込んだと説明するが、そうとはいえないものも紛れ込んでいるようにみえる。浮いた財源を国債発行の減額や復興増税の圧縮に活用する手もあったのではないか。
長引く円高やタイの洪水に悩む中小企業の資金繰り支援はある程度必要だ。南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に自衛隊を派遣する費用も欠かせない。
だが70~74歳の医療費の窓口負担割合を本来の2割に引き上げず、1割に据え置くための予算を計上したのは納得できない。高齢者にも応分の負担を求め、医療費の膨張を抑えるのが筋である。
環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を見据え、農業の競争力を高めるのは重要だ。ただ新規就農支援などの予算措置は反対派の懐柔策という色合いが濃い。
エコカー補助金も自動車課税の抜本改革を先送りした代償といえる。景気の下支えには一定の効果があるとしても、場当たり的な対応という印象は否めない。
これでは24日にも決める12年度予算案まで心配になる。整備新幹線の未着工3区間の工事や介護報酬の増額など、歳出の拡大を求める民主党内の圧力は強い。必要な予算を厳しく選別し、財政の悪化を食い止めなければならない。
政府・与党は年内をめどに、社会保障と税の一体改革を具体化する素案をまとめる。消費税率引き上げの時期や幅を明示すべきなのはいうまでもないが、不要不急の歳出を膨らませ続けるのでは国民の理解を得られない。